方法
ボディスキャン
身体の各部位へ順番に注意を向けるボディスキャンを、安全に実践するためのページ。
要点
ボディスキャンは、身体の各部位へ順番に注意を向ける実践です。リラックスを強制する方法ではなく、感覚、緊張、痛み、何も感じない感じ、判断、退屈さに気づく練習として扱います。
身体感覚への注意で不安、痛み、記憶、解離が強くなる場合は、短くする、中止する、外部対象へ移る、専門家に相談することを優先します。
ボディスキャンとは何か
足先、脚、骨盤、腹、胸、背中、手、腕、肩、首、顔、頭などへ、ゆっくり注意を移します。感じるものを探しに行きすぎず、「ある」「ない」「ぼんやり」「痛い」「判断している」を観察します。
MBSRとの関係
mbsrでは、ボディスキャンは代表的なformal practiceの一つとして扱われます。座る瞑想やmindful movementと並び、ストレス反応と身体感覚の関係に気づく練習になります。
ただし、MBSRの一部だからといって、すべての人に同じ長さ・同じ強度で合うわけではありません。
何を鍛えるのか
- 身体感覚に気づく。
- 不快感をすぐ操作せず、短時間だけ観察する。
- 「感じない」「退屈」「早く終わりたい」も経験として扱う。
- 身体反応、感情、思考、行動衝動を分ける。
- 必要な時に対象を変えたり中止したりする判断力を育てる。
基本手順
- 目を閉じるか、半眼・目を開けたままにする。
- 床、椅子、布団との接触を確認する。
- 足先から順に、ひとつの部位へ注意を置く。
- 感覚があれば気づく。なければ「感じにくい」と気づく。
- 痛みや不安が強い部位は長く留まらず、広い接触や外の音へ戻る。
- 最後に全身、部屋、次の行動へ注意を戻す。
うまく感じられないとき
何も感じないことは失敗ではありません。「何も感じない」「探そうとしている」「正しくやりたい」という経験に気づけば、すでに練習になっています。
感覚を作ろうとして力むより、接触、温度、重さ、左右差、境界のぼんやりさなど、分かりやすいものだけ見ます。
不安・痛み・トラウマ反応が出るとき
身体の内側に注意を向けることで、不安、健康不安、痛み、記憶、過覚醒、解離が強くなる人がいます。その場合は次を選びます。
- 目を開ける。
- 足裏、手の接触、椅子、部屋の音、見える物へ移る。
- 痛い部位を無理に観察し続けない。
- 時間を30秒〜2分に短くする。
- 悪化する場合は中止し、mindfulness-safetyを優先する。
呼吸瞑想との違い
breath-awareness-meditationは呼吸を主な対象にします。ボディスキャンは身体部位を移動しながら観察します。
呼吸が苦しい人には、足裏や手の接触が代替対象になることがあります。一方で、内部感覚そのものが苦しい人には、外部の音、視覚、歩行、会話のほうが安全な場合があります。
実践例:5分版
- 30秒: 足裏と床の接触を見る。
- 1分: 脚と骨盤の重さを見る。
- 1分: 腹、胸、背中の緊張を見る。呼吸を変えない。
- 1分: 手、腕、肩、顎の力みを見る。
- 30秒: 部屋の音と見える物へ戻る。
- 1分: 次の小さい行動を一つ選ぶ。
実践例:15分版
- 2分: 姿勢、接触、部屋の安全確認。
- 3分: 足先から脚へ注意を移す。
- 3分: 骨盤、腹、胸、背中を見る。
- 3分: 手、腕、肩、首、顔を見る。
- 2分: 全身を広く感じる。分からなければ接触だけでよい。
- 2分: 目を開け、外部対象と次の行動へ戻る。
注意点
- リラックスできないことを失敗にしない。
- 痛みを我慢する訓練にしない。
- 呼吸や身体感覚への集中で悪化する日は、外部対象を選ぶ。
- 睡眠前に練習して覚醒する場合は、時間帯を変えるか中止する。
- 強い症状がある場合は、自己流で長時間化しない。
根拠と不確実性
ボディスキャンはMBSRの代表的実践として説明されますが、単独効果やinteroceptionとの関係は研究の対象、測定方法、介入形式で変わります。このページでは、効果を保証せず、安全に試すための方法として整理します。
関連ノート
次に読むページ
日課に入れる場合はdaily-mindfulness-practiceへ進みます。身体感覚が苦しい場合は先にmindfulness-safetyを読みます。