概念
クロスアセットの確認と乖離
金利、ドル、金、株、信用の一致と乖離を、シグナルでなく診断質問として使う。
要点
確認は「二つが同方向」ではなく、同じ原因仮説と整合する独立した観察です。乖離は売買シグナルではなく、原因・時間軸・測定の再点検を促す質問です。
相関と共通原因
金安と実質金利高が同時でも、実質金利が金を単独で動かしたとは限りません。政策サプライズが両方を動かす共通原因、ポジション解消、ドルが介在し得ます。相関は因果を証明しません。
主な組合せ
- **金対実質金利**: 機会費用を問う。安全・中央銀行・現物需要で崩れ得る。
- **金対ドル**: 非ドル購買力を問う。安全需要で同時上昇し得る。
- **株対金利**: 割引率か成長・利益かを問う。
- **株対信用スプレッド**: リスク選好の広がりを問う。指数集中で乖離し得る。
- **ドル対世界リスク**: 相対成長か資金ストレスかを問う。
lead/lagの不安定性
イベント直後は2年金利が先に反応し、株が内訳評価後に追う場合があります。構造需要は月次・四半期、先物は日中で動きます。固定した先行指標にせず、同じ観察窓を使います。
乖離の診断
- データ時刻、指数構成、現物・先物を揃える。
- 各変数の時間軸を揃える。
- 共通原因と資産固有要因を最低一つずつ置く。
- 信用、ボラティリティ、カーブで確認する。
- 価格が重要水準を受け入れたかを見る。
金が実質金利上昇を無視する、株が信用拡大中も上がる、といった乖離は、構造需要や指数集中の候補です。しかし乖離の解消方向は分かりません。
価格が物語を上書きする時
弱いマクロ仮説と価格構造が衝突するなら価格を優先します。重要水平線の拒否、Value Area内への復帰、構造転換が仮説と合わなければ、マクロを理由にしません。
限界
関係は経験的かつレジーム依存でconfidenceは低いままです。安定係数、先行時間、予測確率を置きません。